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成城学園初等学校 劇の会レポート

 

 

成城学園初等学校 劇の会レポート

(プログラムから)

 

脚本

劇の会が近づいてくると、劇を指導する先生はどんな劇にしようかと考え脚本を選びます。

「おもしろい話にしようかな」とか「かわいらしい話がいいかな」「感動する話にしようかな」「ミュージカルもいいなあ」「ダンスがあるといいなあ」などと、あれこれ考えるものです。そして脚本を選びます。

脚本にはいくつかの種類があります。
@劇の本などにのっているもの
A誰かが書いた脚本に手を加えて作り直したもの(脚色)
B自分で話を考えて脚本にしたもの
C子どもたちの案を参考にして脚本にしたもの(児童原案)
D子どもたちで脚本を作ったもの(児童創作)
などです。

児童創作の場合は、脚本がないこともあります。
劇を指導する先生はあれこれ悩んで、最終的には上演するクラスのムードや個性に合ったものを選びます。だから、同じ脚本を使っても上演する子どもたちが違うと劇の雰囲気が変わることも不思議なことではないのです。

プログラムにはその劇を作った人の名前が書いてあります。
そういうところにも目を向けて劇を見るのも面白いかもしれません。

※プログラムに記載されている文章は教員が毎回交代で執筆しています。

 

取材 H21年7月3日

 

 

6年 「なぞのタイムスリップでふしぎ大作戦」

6年 櫟組  『なぞのタイムスリップでふしぎ大作戦』  〜ほんとうはうそみたい〜

あるクラスがドッジボールの練習をしていました。そうしたらとつぜん子どもたちが消えてしまったのです。
魔王が彼らを縄文時代と江戸時代にタイムスリップさせてしまったのです。
さぁ、子どもたちは二十一世紀に帰ることができるのでしょうか?
魔王は、本当は何をしたかったのでしょうか? 実は・・・おっと口がすべるところでした。続きは見てのお楽しみー!
 

   

 

 

5年 「昔話探検隊」

5年梓組  『昔話探検隊』

時は二十五世紀、第三次世界大戦が終わり、人類は月に住むことになりました。そして、地球を調査するようになりましたが、そのときおかしなものを発掘します。それは、昔話の絵でした。その絵を元にどんな話であったか、調査隊は研究を進めました・・・。
この劇には、自分でたちで作ったお話も入っています。何回も作り直して作った劇で、おもしろいところがいっぱいあると思います。どうぞたのしんで見てください。
 

 

 

施設・機材などの紹介

休憩時間の様子 高学年になると、児童が照明や音響などの裏方も担当します。 スポットの担当者は、インカムをつけて調光室からの指示を受けます 。 先生の指導にも熱が入ります。
調光(照明)室の様子。この部屋から、各スポットライトの担当者に指示を出します。スイッチがたくさんあり、操作が大変そうです。 こちらは、隣の音調室の内部。 舞台袖に置かれた大道具。
かなり精巧に作られていました。 舞踊室。普段はこの教室で舞踊を学んでいます。当日は衣裳部屋になっていました。 過去に使われた舞台装置も、たくさん保管されていました。
舞台の上を渡ることが出来るキャットウォーク。ここから、雪に見立てた紙ふぶきなどを降らすことも出来ます。 3Fの照明機材です。高い場所からスポットをあてます。この場所は客席の上にあります。 こちらも3Fの照明機材です。劇を行なうために作られた講堂だということが良くわかります。
   
休憩時間に係りの先生が次の劇の準備をしていました。    

 

4年 「たたいちゃダメ!」

4年 橘組 『たたいちゃダメ!』

ある日のことです。ふつうの生活をしていた人たちの前に見たことのない自動販売機があらわれました。その自動販売機のボタンを押して、何かをするとおそろしいことが起きるかも・・・?
どのような自動販売機なのかは劇を見てからのお楽しみ!
こんな自動販売機があったら、みんなはどうしますか?
 

 

3年 「きっとあなたのお気に入り」

3年藤組 『きっとあなたのお気にいり』 (柴野民三原作 「ちぢめたズボン」より)

森の動物たちの洋服を作っているテーラーポンポコ。
今日も、たくさんのお客さんで大にぎわい。
そこへ、いつもわがままなトラ吉がプンプン怒りながらのご来店。どうやら自分が希望した通りのズボンなのに気にいらないようです。「すぐ直せ。」などとまたわがままを言うのですが、この日は急ぎの仕事が多く、テーラーポンポコの主人は困ってしまいます。
さて、トラ吉や他のお客さんのお気にいりの一着は無事に仕上がるのでしょうか。
 

   
4年生が歌の応援にかけつけてくれました。      

 

昼休みの様子

 

   
昼休みの様子を撮影させていただきました。
当校は遊具がとても充実しており、児童は元気一杯に遊んでいました。木登りしている児童も多く、一番上の写真は木の上で楽しそうに会話している様子です。

 

 

成城学園初等学校は、「文学」、「劇」、「映像」、「舞踊」、「遊び」、「散歩」など、他校にはない珍しい教科がカリキュラムに含まれています。

『劇』の授業は、3年生から週1時間で、今回取材させていただいた『劇の会』は、学習の一環として年3回行われています。毎回4本の劇が上演され、年間に12本の劇が上演されており、子ども達は、3年生から卒業まで、誰もが4回の劇の発表を経験します。

今回は本番前日のリハーサルの様子を取材させていただきました。リハーサルは、出演クラスの児童が互いに見合い、他のクラスは翌日に行われる本番を見ます。

学年毎に、独自に編纂された『げきのほん』というテキストがあり、表現活動や劇を創ることなどを学んでいます。

『劇』研究部があり、多くの先生がかかわって『劇』の教科を研究したりカリキュラムを検討したりしており、当校の『劇』に対する力の入れ具合を感じます。

当校の『劇』科のねらいは、
@子どもたちが自らの人間関係を創る
A子どもたちが自らの創造力を豊かにする
B子どもたちが自らの鑑賞力を高める
です。

ですから、この『劇の会』も完成度を競いあうものではありません。上演は全てクラス毎に行われ、クラスの友だちとコミュニケーションを図り、創造力を働かせながら、協同して劇を創り上げていくことをとても大事にしています。また、今回の3年生のように、他のクラスや、他の学年の子ども達が「歌の応援」等で協力することもあります。

日常の『劇の会』の他に、数年毎(3年に1回程度)に対外発表の劇の会を実施しています。学年やクラスの枠を超えて100人以上のメンバーでグループを組み上演することもあります。

『劇の会』の第1回は1921年に行われました。今回は第178回目ですから、長い歴史と、多くの経験が、この『劇の会』にはあります。

各学年の劇には、脚色、指導、美術、音楽、照明、舞踊・衣装、効果、記録などの担当の先生がおり、子ども達が楽しく劇を行えるように指導や協力をしています。高学年になると、脚本も児童が作ったり、照明、音響などを担当したり、縁の下で支える仕事も覚えていきます。インカムをつけ、照明を操る姿は本職さながらです。

6年生が行った劇は、クラスで脚本創作委員会を作り、5年生の2学期から構想を練って作成したものです。当校は2年生から3年生に進級するときにだけクラス替えを行います。ですから3年から6年までは同じクラスメイト、そして同じ担任の先生のもと学級生活を送るわけです。
そのため、次回の劇に向けて、前年度のうちから話し合ったり、準備を行うこともできます。

高学年の劇を見ていると、表現力の豊かさを感じます。顔の表情であったり、声の抑揚であったり、3年生から行っている『劇』の授業の成果が表れているように思いました。恥ずかしがらずに役になりきって楽しそうに演じている児童の姿を目の当たりにして、当校の表現力教育の一端を見たような気がしました。

今回の劇では見られませんでしたが、涙を誘うシリアスな劇、ミュージカル調の劇などを行う組もあり、成城の『劇の会』では幅広い劇を見ることができるそうです。

1学期の『劇の会』のリハーサル風景は、受験家庭に公開していますので、是非ご覧になって、成城学園初等学校の教育を感じてみてください。

 

『成城 学校劇脚本集』
『げきのほん 4年生』
『成城・学校劇の会』(研究双書)
『劇の会』150回を記念して作られた脚本集。全て、初等学校の先生方が創ったもの。オリジナル曲の歌詞や楽譜なども掲載されています。 『劇』の授業で使われるテキストです。劇の作り方はもちろん、コミュニケーション、表現ゲームなども掲載されています。 日常の『劇の会』とは別に、数年毎に行われる対外発表『劇の会』の記録冊子。劇の内容や、練習や準備の様子、指導の記録などが詳しく書かれています。

 

 

 

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